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ヒガンバナの秘密

お彼岸の頃は野道を真っ赤に染め上げる情緒的な印象のヒガンバナ。元々は中国からやってきた花ですが、現在日本で見られるヒガンバナは実はすべて同じ遺伝子なのを知っていますか。

生物は基本的に染色体を各2本ずつ持っている「二倍体」です。これは父母二人の染色体を引き継ぐためなのですが、日本のヒガンバナは何らかの理由により染色体を3本ずつ持つ「三倍体」であるので、種を作ることができません。よって人の手で株分けするか土砂崩れなど自然の力で移動するかの二つに一つで、それ以外の手段で数を増やすことができないのです。日本のヒガンバナは、すべて元々一つのヒガンバナから生まれたクローンでした。

不思議なことに、現在中国にあるヒガンバナは基本的に二倍体のものがほとんどらしく、日本に流入されたものがたまたま三倍体であった可能性が高いのだそう。本来繁殖には不利だった三倍体のヒガンバナですが、鱗茎(球根)は毒を抜けば食べられることから、人々の間で非常食として畦道など身近な場所に植えられ、結果日本各地に分布するにいたりました。人と植物の数奇な運命を感じる、不思議なヒガンバナの物語ですね。

ヒガンバナの秘密

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お彼岸の頃は野道を真っ赤に染め上げる情緒的な印象のヒガンバナ。元々は中国からやってきた花ですが、現在日本で見られるヒガンバナは実はすべて同じ遺伝子なのを知っていますか。

生物は基本的に染色体を各2本ずつ持っている「二倍体」です。これは父母二人の染色体を引き継ぐためなのですが、日本のヒガンバナは何らかの理由により染色体を3本ずつ持つ「三倍体」であるので、種を作ることができません。よって人の手で株分けするか土砂崩れなど自然の力で移動するかの二つに一つで、それ以外の手段で数を増やすことができないのです。日本のヒガンバナは、すべて元々一つのヒガンバナから生まれたクローンでした。

不思議なことに、現在中国にあるヒガンバナは基本的に二倍体のものがほとんどらしく、日本に流入されたものがたまたま三倍体であった可能性が高いのだそう。本来繁殖には不利だった三倍体のヒガンバナですが、鱗茎(球根)は毒を抜けば食べられることから、人々の間で非常食として畦道など身近な場所に植えられ、結果日本各地に分布するにいたりました。人と植物の数奇な運命を感じる、不思議なヒガンバナの物語ですね。
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